遠野山・里・暮らしネットワークについて
団体概要
■事業目的 ~草の根型NPO活動のセンター的役割~
認定NPO法人遠野山・里・暮らしネットワーク(以下、遠野山里ネット)は、遠野市を主たるフィールドとして、「資源を生かした都市住民との交流の深化と移住の促進」「伝統文化・芸能・技術・技芸の伝承と進化と応用」「里地・里山における循環的な生活スタイルの再興と実践」を柱に具体的な事業を行うことにより、社会全体の利益の増進に寄与することを目的としています。(定款 第3条)
■組織設立の経緯
岩手県遠野市(人口26,737人、高齢化率39.3% 令和元年10月現在)にある、遠野山里ネットは、グリーン・ツーリズムによる地域の活性化を目的に、平成15年より活動を行っています。
このNPOの特徴はクラスター※1であることで、自発的で草の根的に生まれた多様な遠野のグリーン・ツーリズムのグループを<交流と共感と協働>に基づき、それぞれがさらに発展していくことを支援するとともに、1つのグループではなしえなかったことを実現しようとするものであります。
グリーン・ツーリズム※2とは、都会の人々が農山漁村等に訪れて、地域の人々と交流しながら余暇をゆっくりと楽しむ新しい旅のスタイルです。
平成23年3月11日に発生した東日本大震災以降、津波被害の大きかった沿岸部に約1時間で移動することが可能な遠野から、後方支援活動を継続的に行っています。
■活動の経緯
- 平成15年
- NPO法人遠野山・里・暮らしネットワーク法人登記完了(6月16日)
遠野型農村ワーキングホリデー開始 - 平成16年
- 合宿型自動車免許×グリーン・ツーリズム事業開始(7月)
東北ツーリズム大学遠野キャンパス開校(夏) - 平成17年
- 東北ツーリズム大学、喜多方・会津坂下・東松島の3キャンパス開校
- 平成18年
- 遠野での農村民泊開始
- 平成20年
- 東北ツーリズム大学胎内キャンパス開校
- 平成23年
- 復興支援への取り組み(手仕事支援、物資配布、見守り活動、ほっとひといき事業)
- 平成28年
- 認定NPO法人化
- 令和元年
- 9月1日 遠野旅の産地直売所オープン 等
■特定非営利活動法人法に基づく「特定非営利活動」の種類
- 1)保健、医療又は福祉の増進を図る活動
- 2)まちづくりの推進を図る活動
- 3)観光の振興を図る活動
- 4)農山漁村又は中山間地域の振興を図る活動
- 5)文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動
- 6)環境の保全を図る活動
- 7)災害救援活動
- 8)経済活動の活性化を図る活動
- 9)前各号に掲げる活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、助言又は救助の活動
■特定非営利活動に係る事業
- 1)インターネットによるツーリズム、アート及びライフに関する情報発信事業
- 2)大学等によるフィールドワーク等への協力及びインターシップ支援事業
- 3)ワーキングホリデーの推進並びにこれに係る地域通貨の発行管理及び運営事業
- 4)受け入れ者(ホスト)の開拓及び支援並びに体験者(ゲスト)とのコーディネート事業
- 5)遠野市への移住・定住及び就農を希望する者に対する情報発信及び支援事業
- 6)乗馬等、地域資源を活用した地域交流事業
- 7)茅葺き屋根建築物及びこれに関係する資源に関する調査及び萱葺き屋根修復事業
- 8)会員及び協賛団体からの委託によるコンサルティング及び情報発信・管理事業
- 9)地域、隣接市町村及び友好都市の災害支援活動
- 10)ツーリズムの促進、アートの振興、ライフの維持に関する事業に対する連携・調整及び支援事業
- 11)その他本法人の目的達成のために必要な事業
■その他の事業
- 1)都市住民等を対象とした東北ツーリズム大学の開催事業
- 2)会員及び協賛団体以外の者からの委託によるコンサルティング事業
- 3)地域デザインの作成及び講演実施事業
- 4)地域資源を生かしたコミュニティビジネス事業
- 5)旅行業 ※国内旅行業第3種 岩手県知事登録業第3-208号
- 6)その他の事業から生じた収益は、山里ネットが行う特定非営利活動に係る事業に充てなければならない。
※1:「クラスター型」
元々ブドウの房のこと。転じて同じ志向を持った人の集団を意味します。山里ネットの場合、理事会及び事務局がブドウの房のつるに相当し、様々なブドウの実に支援を行う。クラスターを形成する集団は集団の成長に応じて、離脱したり、新規に加わりながら変化を続けます。山里ネットは、これらのグループと協働したり、支援することによって各種プロジェクトの実施や時勢の地域課題解決等の目的を果たします。
※2:「グリーン・ツーリズム」
もともとは、長期休暇を「楽しむ」という文化のあるヨーロッパで行われてきた、旅のパターンのひとつですが、それが近年、物資的に満ち足りてきた日本において、今度は心の充実を求める人々の関心を集めるようになっています。GTの定義は、「都市と農村の相互の補完・共生による国土の均衡ある発展を基本目標とした『緑豊かな農村地域において、その自然、文化、人々との交流を楽しむ滞在型の余暇活動(農村で楽しむゆとりある旅)』」(農水省グリーン・ツーリズム研究会中間報告会1992年9項)
このように定義されるように、滞在先の人に触れ、文化や自然、農林漁業などにふれ、滞在者は日常と違う時間・空間を体験し、受け入れ者は活性化を得る…それがグリーン・ツーリズムなのです。
グリーン:単なる「緑」や「自然」という意味ではなく、「地上すべての生命の尊重、資源の適正利用、あるいはすべての生命の相互関連の認識」という環境保全や社会・文化の持続可能性の確保の意味も含みます。
ツーリズム:物見遊山的な観光ではなく、さまざまな個性的な体験や交流を通して、心身をリフレッシュする活動を意味し、そうしたライフスタイルの定着によって新たな複合的な農村産業の振興を目指します。